真央秘策!3回転半失敗しても後半再挑戦 nikkan sports 2010年2月26日8時35分 逆転金メダルへ、意地でもトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度決める! フィギュアスケート女子のショートプログラム(SP)で2位の浅田真央(19=中京大)が、25日(日本時間26日)のフリーで、首位の金妍児(韓国)との4・72点差逆転を狙う。24日の公式練習では、3回転半を重点的に練習。フリーの冒頭で跳ぶ2度の3回転半を仮に失敗しても、後半に再挑戦というウルトラCの準備は万全だ。92年アルベールビル五輪では、伊藤みどりさんが終盤に成功させSP4位から銀メダルを獲得。“みどりパターン”で頂点に立つ。 3回転半にかける思いの強さを示すように、浅田は大技に次々と挑戦した。午前中は本番会場のパシフィックコロシアムで練習。練習時間の後半に、集中的に3回転半を7度跳んだ。浅田が3回転半の軌道に入ると、他の選手は誰も近づかなくなる、独自のオーラを放った。今大会に出場する女子では浅田しかできない大技は、1度ミスしただけで、残る6度はすべて成功させた。 ところが午後になると一転、3回転半の精度が急激に落ちた。9度跳んで成功は5度。特にフリーの楽曲「鐘」が流れる通し練習で跳んだ2度が、ともに踏み切りミスで1回転半となった。演技を中断すると、いら立ったように両手を腰に当て、ため息を漏らした。珍しく氷を踏みつけたかと思えば、流れる音楽を無視して再度3回転半に挑戦。今度は着氷が乱れて手をついた。他の選手が軽めの調整に終始する中、常々「五輪では(トリプル)アクセルを2発決めたい」と話す通り、最終チェックに余念がなかった。 SPを終えて金との差は4・72点。日本スケート連盟の吉岡フィギュア強化部長は、浅田と金のフリーの演技構成を比較し「(浅田の方が)基礎点で3点ほど高いので、5点弱の点差ならいけると思う」と、十分逆転圏内だと説明した。 フリーは浅田が後に演じるだけに、金がミスすれば3回転半を1度に減らす安全策に出る手段もある。だが吉岡強化部長は「それは考えていないはず。ベストの演技をしてどうか、ということだけ」とSPで1度、フリーで2度という、女子初の演技を完成させたい本人の思いを代弁した。 挑戦した結果、冒頭で踏み切りをミスした場合は、ウルトラCに打って出る準備もできている。フリーで跳ぶ全7つのジャンプのうち、最後に跳ぶ2回転半を急きょ3回転半にするというものだ。演技終盤に体力を要する3回転半を跳ぶのは、男子でもトップクラスしかできない。専属トレーナーの牧野氏は「浅田のフリーはただでさえ男子並みの難度の高さといわれ、陸上400メートル障害と同等のエネルギーを消費する」と説明。それは昨季から変わらないが、同氏は「今季の方が楽にこなしている」と付け加える。これまでも不可能を可能にしてきた浅田だからこそ、常識では計り知れない力を発揮できる。 さらに浅田は今大会、伊藤さんの銀メダル演技映像を、パソコンに取り込んで持参した。アルベールビル五輪で伊藤さんは、前半に1度は3回転半を失敗しながら、急きょ後半に再挑戦して成功。その意地と3回転半にかける誇りは、見習ってきた。規定上同じジャンプを繰り返すことはできないため、わずかな回転不足では終盤に再挑戦できない。だがこの日の通し練習のように明確な失敗の場合は同じジャンプと見なされず、終盤も再挑戦できる。「金メダルがほしい」と言い続けた浅田の生命線は、3回転半にかかっている。【高田文太】 [2010年2月26日8時35分 紙面から] ![]() |
真央は4回転跳べる!プルシェンコ太鼓判 nikkan sports 2010年3月1日9時8分 フィギュアスケートの女子シングルで銀メダルを獲得した浅田真央(19=中京大)が、4回転ジャンプの第一人者プルシェンコ(ロシア)と急接近した。2月27日、各種目上位5人(組)によるエキシビションに出場。14年ソチ五輪を見据え、昨夏から女子では成功例のない4回転トーループに取り組み始めた。それだけに、練習ではリンクの端に座り込み、プルシェンコの4回転の踏み切りや着氷を観察。「間近で4回転を見ることができたのはいい機会。簡単に跳んでしまうので本当にすごい」と感心した。 そんな浅田の熱視線をプルシェンコも感じ取っていた。報道陣の「浅田選手は4回転を跳べると思うか」という質問には「イエス・シー・キャン(彼女ならできる)」と、米オバマ大統領ばりに言い切った。続けて「彼女が望めば、ぜひ一緒に練習したい」と、直接指導に名乗りを上げた。 急接近はこれだけではなかった。プルシェンコによると練習後、互いに「おめでとう」と祝福すると、自らのほおを指さし、浅田にキスを求めたという。「皇帝」の異名を持つプルシェンコも浅田は気になる存在のようで「真央はトリプルアクセル(3回転半)を3回も決めてすごい」と絶賛した。 プルシェンコは今大会、4回転を2度決めたが、1度も跳ばなかったライサチェクに及ばず銀メダル。浅田は女子では初めて、1大会で3度も3回転半を決めたが金妍児に敗れた。浅田は「想像していたよりもすごい、最高の舞台だった」と、初五輪を振り返った。同じような悔しさを味わった皇帝から世界最高の技術を習得して、4年後は雪辱する。【高田文太】 [2010年3月1日9時8分 紙面から] |
真央4年後4回転で金めざす nikkan sports 2010年2月27日9時36分 <バンクーバー五輪:女子フィギュアスケート>◇25日(日本時間26日)◇パシフィック・コロシアム 浅田真央(19=中京大)が4回転ジャンプで、4年後のソチ五輪で金メダルを目指す。初の五輪を銀メダルで終え、「もう1度戻ってきたい」と早々と再挑戦を宣言した。23歳で迎える2度目の五輪を見据えて、すでに昨夏から4回転トーループの練習に取り組んでおり、タラソワ・コーチも成功に太鼓判を押している。得意のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を基礎点で約2点も上回る大技で、悲願の金メダルに挑む。 ソチ五輪をにらんだ浅田の挑戦は、すでに始まっていた。昨年8月、指導のため来日していたタラソワ・コーチがこっそりと明かしていた。「真央は4回転トーループの練習をしています。今は目標にしていませんが、バンクーバー五輪の後に試すことになる。真央ならできるし、真央にしかできない」。浅田も「3回転トーループは余裕でできているので、たまに気分転換でやっています」と話していた。 4回転ジャンプは02年12月のジュニアGPファイナルで、安藤が女子で初めてサルコーで成功させた。しかし、それ以降、国際大会で決めた選手はいない。男子でもトップ選手しかできない。しかし、伊藤みどり以来、18年ぶりに五輪で3回転半ジャンプを成功させ、SPとフリーで合わせて3度も決めた浅田なら、成功させる可能性は高い。もともと14歳だった05年3月、優勝した世界ジュニア選手権から帰国後、4回転挑戦を宣言。山田満知子コーチのもとで、練習に取り組んだこともあった。 ソチ五輪まで4年ある。浅田は「そこで満足してしまったら、成長できなくなってしまう」と、常に「挑戦」をモットーに毎年新たな技、新境地開拓に取り組んできた。代名詞の3回転半は規定上、もうこれ以上跳ぶことはできないほど限界に達した。現時点で4回転の成功率は決して高くないが、まったく決まらないわけでもないという。 ソチ五輪に金妍児が出場するかは分からない。しかし、今大会で金が出した228・56点の世界歴代最高得点は大きな目標になる。4回転の基礎点は3回転半より約2点も高い。大技を成功させ、演技力にさらに磨きをかければ、世界最高得点での金メダルも夢ではない。20代に突入する来季からの4年間、浅田がさらに大きな戦いに挑む。 [2010年2月27日9時36分 紙面から] ![]() |
NHK「金言」アナ、真央の心境思い不発 nikkan sports 2010年2月27日9時1分 五輪実況で数々の名言を残してきたジャパンコンソーシアム刈屋富士雄アナウンサー(49=NHKから派遣)も“不発”に終わった。26日(現地時間25日)のバンクーバー冬季五輪フィギュアスケート女子フリーを担当したが、浅田真央(19)が金メダルを逃したことで「コメントが浮かびませんでした」と中継後に明かした。一方NHKは同日、女子フィギュア中継に約350分を割き、放送を予告する新聞広告を掲載するなどの熱の入れようだった。 数々の名実況で五輪中継の歴史を彩ってきた刈屋アナだが、今回は期待された金メダルを逃して銀メダルに終わった浅田の心境を思い、名言は生まれなかった。 「浅田選手の演技が終わった瞬間、コメントが浮かびませんでした。演技自体は絶賛したかったのですが、浅田選手の気持ちを思うと何と表現したらいいか分かりませんでした」。刈屋アナは放送後にこう明かした。 さらに「点数では負けましたが、人の心を揺さぶることが本質でもあるフィギュアとしては、浅田選手の演技は最高でした」と続けた。 浅田はトリプルアクセルを2度成功させたが、後半に2度ミスをし、インタビュー中には悔し涙を流した。刈屋アナは中継中「負けたという事実を真正面から受け止める。これが浅田の強さ。次のオリンピックにつながる涙だと思います」。さらに、浅田がトリプルアクセルを成功させたことに「トリプルアクセルの価値を浅田選手があまりにも跳ぶのでみんな忘れているのかも。本当はものすごい」とたたえることに終始した。ちなみに金妍児の演技が終了したときには「水が流れるように自分の演技をしました」、得点が発表されたときには「見たこともない所まで到達しました」と実況した。 中継後にも「インパクトは圧倒的に浅田選手の方が勝っていました。もし、選手同士を比較する昔のルールだったら、浅田選手が金メダルだったと思います」。トリプルアクセルの成功には「歴史に残る快挙で、評価され、絶賛されてもいい」とコメントした。 刈屋アナは04年のアテネ五輪の体操男子団体決勝で「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ」などと実況し、日本金の感動を茶の間に伝えた。今回は浅田のミスと悔し涙を目の当たりにし、感動的なフレーズを生み出す状態ではなかったようだ。 一方NHKはこの日、ニュースでの中断をはさみながらも午前8時35分から午後2時25分まで350分間フィギュアスケートを中継した。異例の長時間中継に加え、新聞には五輪中継の番組広告を掲載した。同局によると、五輪中継の広告を新聞に掲載したのは近年ではなかったという。未明には公式練習も生中継していた。【中野由喜】 [2010年2月27日9時1分 紙面から] |
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Author:石ころ
日々思ったこと、好きなことについて、思いつくままに。今はフィギュアスケートが一番気になるので、それを中心に書いています。リンク・記事の引用はご自由にどうぞ。連絡不要。素人ゆえ間違いもあるので、その点はご了承ください。
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