今季最高点!真央 3・26世界選手権へ収穫の2位 スポニチ 2012年2月13日 06:00 フィギュアスケート四大陸選手権第3日 (2月11日 米コロラド州コロラドスプリングズ) 大技完成が見えた。女子フリーで浅田真央(21=中京大)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑み、回転不足の判定だったが成功に近い好ジャンプを見せた。フリーは2位の124・37点で、合計は今季自己ベストの188・62点をマーク。合計192・41点で優勝したアシュリー・ワグナー(20=米国)に逆転され2位に終わったが、3月の世界選手権(フランス・ニース)に向けて大きな収穫を得た。 演技を終え拍手を浴びる浅田の表情が、確かな手応えを物語っていた。笑みを浮かべてリンクサイドの佐藤コーチとハグすると、得点を待つキス&クライでもスマイルは変わらない。先に演技を終えたワグナーの合計192・41点に届かずSP首位からの逃げ切りはならなかったが、目標をクリアした達成感があった。「(トリプルアクセルに)挑戦して跳べたのはすごいプラス。跳べてうれしい」。代名詞の大技を、浅田が取り戻した。 胸元が大きく開いた新しい衣装に身を包んで臨んだフリー。「愛の夢」の優しいメロディーに乗った演技冒頭、力強く踏み切り、そして鋭く回った。前日のSPで両足着氷だったトリプルアクセルだが、フリーでは右足だけでクリーンに下りた。判定はSPと同様に回転不足。それでも、出来栄え評価の減点はSPよりも1点減った。ほぼ成功と言える内容に、「しっかり回って跳べている。すごい自信になった」とまた笑った。 昨年11月のNHK杯のSPで挑んだトリプルアクセルは、1回転半の失敗ジャンプ。ロシア杯は復調途上だったため、佐藤コーチと話し合ってダブルアクセルに難度を落とした。12月の全日本選手権前には、母・匡子(きょうこ)さん(享年48)が亡くなる悲劇があった。「いつもと違う緊張感だった」という特殊な状況の中、大技を封印して優勝。同選手権後、今大会のテーマにトリプルアクセルへの挑戦を掲げた。SP、フリーで着実に精度を上げ「全体的な流れはいいところまできている」と佐藤コーチも納得の表情だ。 苦手の3回転ルッツでバランスを崩し、得意のサルコーは3回転の予定が2回転になった。「課題が残った。このままでは世界選手権で金メダルを獲ることは難しいと思う」と浅田は反省も忘れなかったが、大技の手応えをつかんだことは大きい。「世界選手権の目標は、SPとフリーでトリプルアクセルを跳ぶこと。フリーでのマイナスの部分をなくすこと」。自信を取り戻した浅田が、2季ぶりの世界一へ突き進む。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
自信になった…真央、二つのジャンプで着実進歩 読売新聞 2012年2月13日12時08分 フィギュアスケートの四大陸選手権で、フリーの演技を終えた浅田真央の顔に、安堵の笑みが浮かんだ。 前日に続いて挑んだトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、きれいに着氷したように見えた。回転不足は取られたが、SPの両足着氷から一歩前進し、「昨日の経験を生かせた。挑戦して跳べたのは、すごくプラスだと思う」とうなずいた。 もう一つ収穫があった。苦手の3回転ルッツで、着氷は乱れたものの、正しいエッジで跳べたことだ。規定とは逆サイドで踏み切ったとして減点され続け、大きな課題だった。昨季から修正に取り組んできた成果が、ようやく表れてきた。 標高約1800メートルという高地の効果もあり、課題の二つのジャンプで着実な進歩を見せた。さらに、練習でトリプルアクセルを何度も決めていたから、「1週間続けてしっかり回って跳べているので、すごく自信になった」。空中で回転する感覚を体に染み込ませることができたのは、3月の世界選手権へ向けて何よりの収穫だろう。 ![]() |
演技は見てないものの、採点におかしなところはなさそうです(どうでしょう?)。 ルッツにエッジエラーがついてないので、よかったなぁと思いました。 SPもFSも3Aは70%認定のアンダーローテーションで済んだので、これも良かった。 審判の顔ぶれによっては、これも一気にダウングレードになったりしていたかも知れませんので。 PCSは、こんなものかな…もうちょっと高くても…と言いたいところですが、まで見てないので(笑) 女子のほうは、比較的まともな採点だったのではないかと思いました。 |
真央「ほぼ成功に近い感覚」/一問一答 日刊スポーツ 2012年2月13日14時53分 フィギュアスケート日本女子のエース、浅田真央(21=中京大)が4大陸選手権2位から一夜明けた12日、代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を解禁した理由などを穏やかな表情で語った。 -3回転半を跳んで 浅田 自分が強く持てるものの1つ。それがしっかり自分のものになったのは大きな一歩だと思う。 -ショートプログラム、フリーともに回転不足と判定された 浅田 ショートの方は完璧な回転不足だったが、フリーは自分で降りたと思った。(判定は)多少ショックだったが、ほぼ成功に近いアクセル。この感覚を日本に帰っても忘れず、練習に臨めたら大丈夫だと思う。 -今季優勝したロシア杯と全日本選手権では回避した。挑戦の理由は 浅田 今季は跳ぶつもりで練習してきたが、回転が足りず、演技に入れても意味がないという状態だった。こちらに来て回るようになり、跳べたら得点がもらえる状態になった。佐藤信夫先生からも「やってはいけない」という指示はなかった。やっていいと思った。自分もできると思った。 -ただ、ほかのミスもあって優勝を逃した 浅田 トリプルアクセルだけでは駄目だと思った。今回は跳ぶということが強過ぎて、フリーはほかの部分が少しおろそかになったのではないかと思う。 -世界選手権では2季ぶりの優勝が懸かる 浅田 勝ちに行くと思うと縮こまってしまうと思う。力強いスピードと力強い気持ちがあれば大丈夫。自分のできることを出し切ればいい。 ![]() |
基礎点 | GOE | J1 | J2 | J3 | J4 | J5 | J6 | J7 | J8 | J9 | 得点 | ||
SP | 3A< | 6.00 | -2.29 | -2 | -3 | -2 | -2 | -2 | -3 | -2 | -2 | -3 | 3.71 |
FS | 3A< | 6.00 | -1.29 | -1 | -3 | -1 | -1 | -2 | -1 | -2 | -1 | -1 | 4.71 |
競技得点 | 総要素点 | 総構成点 | SS | つなぎ | 演技力 | 振付 | 曲解釈 | |
NHK杯 | 125.77 | 61.20 | 64.57 | 8.11 | 7.75 | 8.07 | 8.21 | 8.21 |
四大陸 | 124.37 | 62.95 | 61.42 | 7.75 | 7.43 | 7.64 | 7.82 | 7.75 |
-1.40 | +1.75 | -3.15 | -0.36 | -0.32 | -0.43 | -0.39 | -0.46 |
競技得点 | 総要素点 | 総構成点 | SS | つなぎ | 演技力 | 振付 | 曲解釈 | |
NHK杯 | 109.77 | 54.45 | 55.32 | 7.04 | 6.61 | 7.04 | 7.00 | 6.89 |
四大陸 | 128.34 | 66.61 | 61.73 | 7.61 | 7.46 | 7.93 | 7.71 | 7.86 |
+18.57 | +12.16 | +6.41 | +0.57 | +0.85 | +0.89 | +0.71 | +0.97 |
要素 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 合計 |
NHK杯 | 0.79 | 0.70 | -0.80 | 1.00 | 0.70 | -1.10 | 0.40 | 0.79 | 0.93 | -0.70 | 0.64 | 1.30 | 4.65 |
四大陸 | -1.29 | 0.50 | -0.70 | 1.00 | 0.70 | 0.50 | 0.03 | 0.43 | 1.00 | 0.40 | 0.71 | 1.30 | 4.58 |
要素 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 合計 |
NHK杯 | 0.60 | 0.50 | -0.60 | 0.57 | 1.40 | 0.64 | 0.50 | 0.20 | -1.70 | -0.70 | 0.21 | 0.14 | 1.76 |
四大陸 | 1.00 | 0.50 | 0.80 | 0.36 | 2.00 | 1.00 | 1.00 | 1.10 | 0.70 | 0.70 | 0.64 | 0.71 | 10.51 |
なぜ高橋大輔はチャンに完敗なのか? ふたりの天才の結果を分けたもの。 Number Web 2012/02/13 11:25 ![]() 田村明子 = 文 これはやられた。 パトリック・チャンのフリー「アランフェス協奏曲」は、圧巻だった。4+3のトウループコンビネーション、4トウループ、3アクセルと次々成功させていく彼を見て、今年の四大陸選手権は彼のものになる、ということが点数を見るまでもなくわかった。 だが前日のSPは、微妙だった。 チャンと高橋大輔は、ほぼ同じようなミスをした。チャンは出だしの4回転で両手をつき、高橋は臀部もついて転倒。2人とも残りはノーミスで滑っている。 一見それほど大きな違いはないように見えた演技でも、5.36ポイントもの点差がついてしまった。チャンの4回転は回転が承認され、高橋は回転不足だった。これは降りてくるエッジの角度で決定されるので、やむを得ないことだと言える。 転倒か、転倒ではないのか? ふたりのミスの評価が異なる理由。 理解できなかったのは、チャンの両手お手つきが、転倒としてマイナス1がついていなかったことだった。ISUルールの転倒の定義は、「ブレード以外のもので体重を支えた場合」となっている。両手をついたチャンはブレードが氷についたままだったが、手で支えていなければ転倒していた。だがこれは転倒とは考えないのか。SP後のプレスルームで、複数の記者たちとカメラマンのPC画面を囲み、チャンの4回転の着氷瞬間をフレームごとに確認しながら、そんな会話を交わしていた。 ちなみに、この「転倒」かどうかを決定するのはジャッジではなく、3人のテクニカルパネルである。今回のテクニカルスペシャリストはカナダ人のジェイソン・ピース、アシスタントスペシャリストは日本の天野真。そして2人の間で意見が割れた場合に決定するのは、テクニカルコントローラーの役割で今回はスイス人の女性だった。 「転倒ではない」という最終決定は、彼女が下したことは間違いない。試合終了後、是非その理由を質問してみなくてはならない。たとえ1ポイントでも、それが最終的に勝敗を分けることになるかもしれないではないか。 神がかりだったチャンのフリー。 だがそんなもやもやした気持ちは、チャンの圧巻のフリーを見せられ、ふっとんでしまった。この領域に達した演技をするときのチャンは神がかっていて、誰にも触ることはできない。4回転を2回、3回転ジャンプを7回、最後のルッツでわずかにバランスを崩した以外はノーミスだった。 ジャンプのすごさもさることながら、ミスがないとスケーティングの質が光る。高いところから低いところへと水が流れていくような、スムーズでスピードのある滑りなのだ。会場の上のほうで見ていると、リンクの使い方が他の選手とは違うことがよくわかった。 「地元のリンクで有利だと思うかもしれないけれど、実を言うとこんなに緊張したのは久しぶり、というほど緊張していた。でもジャンプを一つ一つ、着実に落ち着いて降りていこうと思った」 チャンは演技後、会見でそうコメントした。 意志の力で標高1800mの過酷さを乗り越えた高橋。 一方2位だった高橋大輔の演技も決して悪くなかった。久しぶりにフリーで4回転トウループを成功させ、最初の3アクセルはパンクして1アクセルになってしまったが、後半でしっかり3アクセル+3トウループを降りている。若手の選手でも途中から口呼吸になる標高1800メートルのコロラドスプリングスで、よく戦った。 「標高は思ったほど感じなかった。後半少し足にきたけれど、前半にジャンプミスがあったので、後半はもうミスできないという気持ちが強かった。その気持ちが、標高の影響に勝ったのだと思う」 会見で、高橋はそう語った。 だがそれでも、なんと総合でチャン273.94、2位の高橋244.33と、30ポイント近くもの点差がついた。果たして2人の演技にそこまでの差があったかどうかはわからない。だがここでのチャンの圧勝に、誰も文句を言えないことだけは確かであった。 「SPでも思い通りの演技ができず、ぼくはフリーで実力を証明してみせなくてはなりませんでした」 チャンは会見でそうコメントしたが、確かにそれだけのものを、彼は見せた。SPのチャンの採点が甘すぎると口にしていた人々は、みんな黙った。 4年前は圧倒的な実力で優勝をさらった高橋だが……。 改めて、競技スポーツというものの残酷さを感じたのは私だけであろうか。 そもそも高橋とチャンでは立ち位置が違う。 25歳の高橋が今のチャンとほぼ同じ年齢だった4年前、まさにこの四大陸選手権のフリーで4回転を2回降り、当時の最高点を出して優勝している。だがあれから高橋は選手生命に関わってもおかしくなかったような負傷をし、大きな手術を経て、それでも出場したバンクーバー五輪では銅メダルを獲得した。 一方のチャンは、今が跳び盛り、伸び盛りである。 2人に限らず、競技を続けていく限り、このように立ち位置の違う選手たちが、一切の言い訳もせずに同じ土俵で戦っていかなくてはいけない。 今や大ベテランである高橋がけなげにも「4回転の成功率をもっと上げていかなくては」と口にするのを聞いて、今更ながら、競技スポーツの過酷さに胸がつまったのである。 “音楽表現の天才”高橋大輔はもっと評価されるべき!? それはひとまずおいておくとして、果たしてこの30ポイント差というのは妥当なものなのだろうか。 技術的なポイントの差は、仕方ない。子供の頃から競技スキーもやっていたというチャンは、スピードを恐れるということを知らない。まさに坂道の急傾斜を突っ込んでいくような勢いで、30×60メートルの銀盤を風のようにふっとんでいくのである。その勢いを生かしたジャンプは、飛距離も高さも申し分ない。 だがその一方で、高橋は彼にしかないものをたくさん持っている。 特に彼の持つリズム感、体を使った音楽の表現というのは天才的と言っていいレベルだ。後にも先にも、世界で真似をできる選手は一人もいないだろう。 これは本来、5コンポーネンツに反映されるべきものだ。SP、フリーを通してインタプリテーション(音楽表現)、パフォーマンスあたりは、高橋のほうのポイントがもっと出ていてもよかったのではないか。9点台が並んでも少しもおかしくない演技だという声は、海外のプレス関係者たちからも聞こえてくる。 国を挙げて国内外にチャンの凄さをアピールするカナダ。 「カナダのスケート連盟は、裏でも表でも政治的なことをしてくる。日本も少しは努力したらいいのに」 ある米国のベテラン記者は、そう口にした。この「政治的」というのは、必ずしも不正行為という意味ではない。 たとえば1月のカナダ選手権で、カナダのジャッジたちはパトリック・チャンにSPで101.33点、フリーで200.81点、総合302.14点というとてつもない点数を出した。もちろん演技の内容も素晴らしかったし、国際大会より国内のほうが甘目の点がでるというのは、カナダに限ったことではない。それにしても、よくぞまあここまで出したものよ、という点だった。 こうしてカナダの連盟は、チャンの凄さを海外のジャッジ、スケート関係者たちにアピールしているのである。国内選手権は、いわば海外に向けた自国選手のPRの舞台でもあるのだ。 高橋の全日本SPには、100点台を出すべきだった!? だが果たして日本スケート連盟は、そのような意識を持っているだろうか。日本のジャッジは国内大会でも、模範的な会社員のような採点しかしない。あくまで他と足並みを揃えて、目立たないように無難な点ばかり並び、個々のジャッジのメッセージが伝わってこないのだ。 大阪の全日本選手権の男子SPで高橋が数年ぶりに4+3を成功させたとき、日本のジャッジは100点台を出すべきだった。そして5コンポーネンツも、9点台後半をぞろりとそろえて、10点満点を出すジャッジがぽつぽついてもよかったと思う。 会心の演技を見せたときにはここぞとばかりに思い切った採点を出し、選手の価値を底上げしていく。こういう駆け引きも採点スポーツの一部なのである。 極端なことを嫌うのは、日本人の美徳かもしれない。だが国際社会で勝ち抜いていくためには、少しはカナダの連盟を見習い、ここぞという時にはなりふり構わず、あざといばかりに選手を売り込むべきだ。現在の日本スケート連盟には、こうした国際的政治感覚が足りないように思う。 採点スポーツというのは、一人の天才がいても勝てるとは限らない。五輪の数年前から、連盟も一丸となってこうした駆け引きを着々と積み重ねていかなくてはならないのだ。 予想していた以上に大健闘した日本男子たち。 最後になったが、今回の四大陸選手権の男子では、無良崇人、町田樹ともにそれぞれ良い戦いぶりを見せたことにも言及しておきたい。 特にSPでは、無良崇人は全選手中唯一、4+3をきめてSP2位になり、町田樹はその夜トップにしてもおかしくないほど完成度の高い「黒い瞳」の演技で4位だった。2人ともフリーでは順位を下げて5位と7位に終わったが、これをまた一つの経験としてきっと次のステップアップへつなげていくのに違いない。 |
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Author:石ころ
日々思ったこと、好きなことについて、思いつくままに。今はフィギュアスケートが一番気になるので、それを中心に書いています。リンク・記事の引用はご自由にどうぞ。連絡不要。素人ゆえ間違いもあるので、その点はご了承ください。
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